奇妙図書館第六分館

図書館が潰れたので分館で活動します。第一~五分館も既に廃墟。

冥土の旅の一里塚

誕生日である、
干支を三回りしたような年であり、そんな年になると、
全く目出度くは無いな、と

とは別に、
『伝奇集』(ホルヘ・ルイス・ボスヘス)を読了したり、
『序文付き序文集』なんて巫山戯た本が存在する事で有名なJLボルヘスであり、
薔薇の名前』の盲目のホルヘの元ネタで有名なボルヘスであるな

序文に、

長大な作品を物するのは、数分間で語りつくせる着想を五百ページにわたって展開するのは、労のみ多くて功の少ない狂気の沙汰である。
よりましな方法は、それらの書物がすでに存在すると見せかけて要約や注釈を差し出す事だ

なんて記しておるが、
それって、男塾の民明書房な本でもって、こんな拳法があり、その拳法が生まれた背景には、こんな歴史があるよ
なんて本をでっち上げる事で、必要項目を一気に語ってしまおうという手段なのであろうか、

多分違う様な気がする

とまぁ、
『トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス』なんて、記されておらぬ百科事典の項目から飛躍したお話であり、
先月に『虚実妖怪百物語』に実在人物が多数登場する事で、現実と虚構の境目が危うくなる、なんて記したような記していない気がするが
それに近い事をやっておるのだなぁ、と今更ながら気が付いたり
『「ドン・キホーテ」の著書、ピエール・ナメール』は
ドン・キホーテの(本来の)著書であるミゲル・デ・セルバンテスと同じ生き方、考え方をすれば
ドン・キホーテ』を記せるに違いない、とか
他にも延々と登場人物が登場するお話らしい『アル・ムターシムを求めて』とか
くじ引きに熱中する民衆から最終的にくじ引きを操る組織が登場する『バビロニアのくじ』とか
夢の中で一人の人間を創り上げる『円環の廃墟』等々
面白い様な気がする話ばかりであるが、
調子の良い時でないと、ナンジャコレ、となり、疲れるお話ばかりであるので、
生活に余裕のない人間にはお勧めしかねる

あと、Wikipedia先生にも項目があることに吃驚である