奇妙図書館第六分館

図書館が潰れたので分館で活動します。第一~五分館も既に廃墟。

3/28 本の話を聞くと本を読みたくなる

 沼野充義教授の最終講義があったのである。厄災によって実際に集まって講義を聞く事は無理なので、ネットでのライブ配信という形での最終講義となったのである。そのおかげで我輩も拝聴する事が出来たので、ある意味幸いであるというべきか
 我輩の中で沼野充義教授はスタニスワフ・レム作品を訳した人、というイメージが大きすぎるのである。あと円城塔の『烏有此譚』で欄外から突っ込みを喰らっておった様な気がする。
 最終講義は『チェーホフとサハリンの美しいニヴフ人 村上春樹大江健三郎からサンギまで』という題名であり、
まずサハリンはユジノサハリンスク市で村上春樹70歳記念の読者会を開催しようというお話から始まり、今は『キャッチャーインザライ』『グレートギャッツビー』等翻訳の影響で村上春樹アメリカ文学の影響を過大に受けている、と思われがちだが、
その前に中上健司がウィリアム・フォークナーの影響を大いに受けており、アメリカ文学といえば中上健司、となっておった時代に、村上春樹トルストイドストエフスキーに大きく影響されている、という事からここでチェーホフが急に登場し、何故チェーホフサハリン島に行ったのか?というお話なり、文壇の空気が合わず医者として巨大国家の患部を診なくてはいけない、という使命感からであり、その住民記録は長い間死蔵されており、今はネットで公開されておる模様との事である。
 で、村上春樹に話は戻るが地下鉄サリン事件の被害者の証言をまとめたノンフィクションである『アンダーグラウンド』を何故記したのか、という理由にチェーホフサハリン島に参った理由と同じ様な事ではないか、という事が『1Q84』内にて記されており、チェーホフの『サハリン島』、村上春樹の『1Q84』に登場する先住民ギリヤーク人を記した作品に大江健三郎の『幸福な若いギリヤク人』がある。というお話に飛び、ギリヤーク人は自身の事をニヴフ人と呼び、此処で最終講義表題のニヴフ人作家のウラジミール・サンギまで繋がるよ。といった内容であったと思う
 というか、アーカイブで残っているのだから、こんな我輩の拙い文章を読むより、最終講義を見た方が早いのである。あと、寿司ノワールを記した現地の作家翻訳者の人の名前が探しても出てこないので誰だか不明である。調べ方が悪いのか

https://www.youtube.com/watch?v=R4pZueSRP0g

 そして、我輩の本読んでおらぬなぁ、絶対的に読んでおる本の総量が少ないなぁ、という感想を抱き本を読まねばならぬなぁ、と思いつつも
2時間近い講義で久々に脳を使った結果カロリーを消費し、空腹を覚えたので、飯を作ったのである
本は図書館で借りた本を少しだけ読んだ